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Monkung Factory for ThinkPad

Monkung Factory for ThinkPad

CPU換装可能なTP310/E

CPU換装可能なTP310/Eの思い出

 徐々にThinkPadに傾斜していく中で非常に思い出深いのは、ThinkPad 310シリーズ(TP310/E、TP315D/ED) との出会いだった。NECのPC-98と決別した1996年以降、DOS/V自作の魅力に魅せられ、フルスクラッチに手を染めていた私にとって、CPUが換装可能なTP310は 、従来のノートパソコンの概念を書き換える願ってもない魅力的なマシンだった。(ノートパソコンの最大のネックはCPUが換装できないことなのだが、それが可能なのだから・・・。)

ThinkPad310E(2600-F0J)
※AMD K6-2/450を実装。400MHzで動作するTP310E(2600-F0J)

 TP310(2600-30J)との出会いは、2001年2月のこと。TP310は、DOS/V自作でお世話になったSoket7にCPUが搭載されている 。つまり、CPUが交換できることで知られていた。オリジナルな状態では、TP310/315DでPentium/133、TP310E/315EDでMMX-Pentium/166が実装されているのだが、これをSoket7の最高峰、AMD K6-2やK6-3に換装して、最高、FSB66MHzの6.0倍の400MHzの動作が可能となる。(なかにはクリスタルを交換して、500MHz以上の動作を実現したつわものもいるそう な・・・。)また、その設定の仕方は多くの先人によって解明されていた。DOS/V自作にはまっていた我が家には、当時そんなCPUがゴロゴロしていたため、TP310は願ってもない マシンなのだ。

K6-3/450AHX
※Socket7CPUの最高峰、AMD K6-3/450AHX

 但し、TP310を400MHzで動作させるためにはクリアしなければならない問題が存在 し、これをクリアするのに非常に苦労させられた。AMD K6-2/450やK6-2/500、K6-3/450を使用して、FSB60MHzの360MHz動作は比較的容易だったのだが、400MHzの設定にすると まったく起動しなくなった。(起動してもすぐにフリーズしてしまった)。この一番の問題は、K6-2がかなり発熱することだった。この熱をうまく逃がしてやらなければ、400MHz動作は難しかった。
  そんな時、PONTAさんの「ThinkPad Love」の改造掲示板で、CPUファン動作設定ソフトの存在を知った。このソフトは、CPUの温度を監視し、設定された温度に達するとCPUファンを回すというものだった。試行錯誤の末、CPUファンが常時回っているように設定することで、400MHz動作を可能とすることができた。 さらに同じ掲示板で、CPUとサーマルプレート(放熱板)の間に、0.5tの銅板を挟み込み、放熱効果をあげる 事例を知り、早速試してみた。これにより、やっと400MHz動作をなしとげた。

set370jp
※CPUの温度を監視しファンを回すことができるソフト。これで発熱の上昇を防げる。
Cu_33
※CPUの上に、0.5tの銅板をグリスを塗って挟み込む。これで熱伝導率を上げる。

 TP310をK6-2に換装して高クロックで動作させようとするとき、もう一つ問題になることがあった。それは、K6-2を300MHz以上の高クロック動作 させようとした時に明らかになった。なんと、AC電源だけではTP310を起動できないのだ。(でも、なぜかバッテリだけでは起動できる。)K6-2を実装したTP310をAC電源から 起動しようとする時、必ず充電されたバッテリを併用しなかればならなかった。(つまりバッテリがお亡くなり状態でも起動できない。)おそらくK6-2起動電力が、オリジナルなAC電源の能力を超えているからなのだろう。 多くの先人たちの検証により、より大容量のAC電源アダプタ を使用することで、ACのみの起動が可能なことがわかっっている。問題は、そんな大容量のAC電源アダプタがなかなか手に入らないということだった。私の場合、つい最近になって72WタイプのT2xシリーズ用の通称「骨型」AC電源アダプタを使うと、バッテリがなくても起動することが可能 ということがやっと実証できた。

ac_honegata72w
※T2xシリーズの72W・AC電源アダプタ(通称「骨型」)

Nov. 2004 by Monkung Factory


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